第21回:ホーソン実験

テイラーの科学的管理法を補う理論は、その後の米国でも研究されました。その中で著名なものは、メイヨーやレスリスバーガーらによって、1927~1932年にかけて行われたホーソン実験です。

このホーソン実験は、ウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行われたもので、次のようなことがわかりました。

賃金、休憩、室内温度などの条件を変えて作業量の推移を計測した。労働条件や作業環境を改善すれば、生産性は改善したものの、それらの条件を改善前に戻しても生産性は変わらなかった。→経済的な条件や物理的な条件で生産性が改善するとは限らない。

データ収集を目的に、研究者が監督者とともに作業員に対して面接を行い、その際、質問項目を決めずに自由な会話をしてもらう方法で面接を行ったところ、その後、生産性が向上した。→監督者が部下の生活の状況などを把握するなどして理解が深まり、リーダーとしての資質が高まった。

この続きは番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第10節「ホーソン実験とは」(52ページ)もご参照ください。

第20回:ファヨールの管理過程論

今回は、ファヨールの管理過程論についてご説明します。

テーラーの科学的管理法は、生産活動の改善を図る手法ですが、ファヨールは会社全体の改善を図る手法として、管理過程論を示しました。管理過程論では、会社の活動をつぎの6つに分けています。

(1)技術活動
(2)商業活動
(3)財務活動
(4)保全活動
(5)会計活動
(6)管理活動

このうち、管理課都度は、他の活動を調和させる活動であり、他の活動とは性質が異なるものです。さらに、職位が高くなるほど、または、会社の規模が大きくなるほど、管理活動の重要性が増すと、ファヨールは指摘しています。

この続きは番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第9節「ファヨールの管理過程論とは」(50ページ)もご参照ください。

第19回:テイラーの科学的管理法

今回は、テイラーの科学的管理法についてご説明します。

19世紀後半から20世紀初頭に、米国で活躍した経営学者のテイラーは、科学的管理法という組織の管理方法を提唱しました。当時の米国の工場では、管理者の勘と経験による場当たり的な管理、すなわち、成行管理が行われていました。

そのため、出来高払いで賃金が支払われているのに、生産性が向上し、賃金が上昇すると、管理者は賃率(作業単位当たりの賃金)を下げようとしたことから、労働者たちは、意図的にあまり働かないようになる、すなわち、組織的怠業(サボタージュ)が行われるようになりました。

このような状況を改善するため、テイラーは、差別的出来高制度を導入し、1日の標準的な作業量を達成した人には高い賃金を、達成しなかった人には低い賃金を支払うといった改善を行い、労使間にあった不信感をなくし、お互いに協調できる関係を築こうとしました。

この続きは番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第8節「テイラーの科学的管理法とは」(48ページ)もご参照ください。

第18回:無関心圏

今回は、無関心圏について説明します。

バーナードは、組織の中で命令を受けたとき、その命令に何の疑義もなく受け入れられる命令は、その命令は「無関心圏」の中にあると説明しています。

しかし、その無関心圏の広さは、組織や人によって異なります。無関心圏が狭い人は、多くの命令に疑義を持ち、無関心圏が広い人は、疑義を持つ命令は少なくなります。

したがって、経営者は、誘因を与えたり、リーダーシップを発揮して、部下の無関心圏を広げると、多くの命令を円滑に受け入れてくれるようになります。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第6節「『無関心圏』と命令に従う関係」(46ページ)もご参照ください。