第8回:企業統治と内部統制

今回は、企業統治と内部統制の概要、および、それが注目されるようになった背景について説明します。

企業統治や内部統制は、日本では、経営者や従業員が法令違反をしないようにするための仕組みと考えられがちですが、それだけでなく、株主の意思に基づいて活動が行われているかどうかを確認するための仕組みです。

日本の上場会社では、経営者の多くが、従業員から昇格しており、経営者の会社に対する忠誠心は高いため、企業統治と内部統制の多くの部分は法令違反などに必要性を感じられることが多いようです。

しかし、米国などでは、いわゆるプロ経営者が経営者となった場合、我田引水の行為をしてしまうことがあるため、企業統治と内部統制の必要性が、より大きなものとなっています。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第1章第6節「企業統治=コーポレート・ガバナンスとは」(22ページ)、第7節「内部統制はなぜ重要なのか」(24ページ)もご参照ください。

第7回:マネジメント層の構造

今回は、マネジメント層の構造について説明しています。

マネジメント層、すなわち、経営者は、会社運営に関する意思決定、事業活動に関する業務執行、他の役員や業務の執行状況の監督の3つの役割があります。

しかし、最近の株式会社は、意思決定を行う経営者と、業務執行を担う人たちに分かれるようになってきました。

そのひとつの形態は、執行役員制度で、この制度のある会社では、取締役は主に意思決定を担い、執行役員は主に業務執行を担うようになりました。

さらに、業務執行の専門性を高めた制度が、オフィサー制度です。オフィサー制度では、意思決定を取締役が担う一方で、専門性の高いオフィサーが、それぞれの専門分野の業務執行を行います。そのオフィサーの最高責任者が、CEO(最高経営責任者)、業務執行の責任者がCOO(最高執行責任者)と呼ばれたりします。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第1章第4節「経営を担う会社の機関とは(1)」(18ページ)、第5節「経営を担う会社の機関とは(2)」(20ページ)もご参照ください。

第6回:所有と経営の分離

今回は、所有と経営の分離がテーマです。

かつての会社は、経営者は自ら生産設備などを購入し、従業員を雇って経営をしていました。すなわち、経営者は会社の所有者でもあったわけです。

しかし、事業規模が拡大していくと、経営者以外の人からも出資をしてもらう(会社の所有者になってもらう)ようになりました。これが発展していった会社が上場会社ですが、このような会社は、経営者が必ずしも会社の所有者ではなくなりました。

さらには、経営者は、事業運営より、経営そのものに特化した役割を担う必要が高まり、いわゆる専門経営者という人たちが現れるようになりました。すなわち、社長は、事業に精通している従業員が昇格する例が一般的でしたが、いまでは、必ずしもその会社の事業に精通していなくても、専門性の高いマネジメントを担う人が経営者として活躍するようになって来ています。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第1章第3節「所有と経営の分離とは」(16ページ)もご参照ください。

第5回:事業と経営とはなにか

今回は、事業と経営とはなにかということについてお話しています。

事業とは、「もの」に関する活動である、「購買」→「生産」→「販売」という活動の一連の流れと、それを支える、「ひと」に関する活動である「労務」、「かね」に関する活動である「財務」の諸活動によって、利益を生み出す活動のことです。

そして、この「事業」は、どのように事業を行うかということを決める、「企業」の対義語であり、実際に利益を産む活動を行う役割を担っています。

さらに、この事業にかかわる利害関係者には、商品や材料の購入相手である仕入先、商品や製品の販売相手である顧客、事業活動に携わる従業員、事業への資金の提供者である株主・銀行などがいますが、それぞれ、対立する利害を持っています。

例えば、顧客は製品・商品を安く購入したいという要望を持っていますが、仕入先は高く商品・材料を購入して欲しいという要望を持っています。

したがって、これらの利害関係者の利害に対し、折り合いをつけ、調整する役割が、マネジメント活動であり、それを経営といいます。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第1章第2節「経営とはどういうことか」(14ページ)もご参照ください。