第5回:事業と経営とはなにか

今回は、事業と経営とはなにかということについてお話しています。

事業とは、「もの」に関する活動である、「購買」→「生産」→「販売」という活動の一連の流れと、それを支える、「ひと」に関する活動である「労務」、「かね」に関する活動である「財務」の諸活動によって、利益を生み出す活動のことです。

そして、この「事業」は、どのように事業を行うかということを決める、「企業」の対義語であり、実際に利益を産む活動を行う役割を担っています。

さらに、この事業にかかわる利害関係者には、商品や材料の購入相手である仕入先、商品や製品の販売相手である顧客、事業活動に携わる従業員、事業への資金の提供者である株主・銀行などがいますが、それぞれ、対立する利害を持っています。

例えば、顧客は製品・商品を安く購入したいという要望を持っていますが、仕入先は高く商品・材料を購入して欲しいという要望を持っています。

したがって、これらの利害関係者の利害に対し、折り合いをつけ、調整する役割が、マネジメント活動であり、それを経営といいます。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第1章第2節「経営とはどういうことか」(14ページ)もご参照ください。

第4回:会社の3つの役割と企業とはなにか

今回は、会社の3つの役割と、企業とはなにかについてお話しています。

会社には、意思決定を担う役割、経営を担う役割、事業を担う役割の3つの役割を担う機関があります。意思決定を行う機関は、株主総会や取締役会で、経営を行う機関は、社長、幹部、管理者などです。そして、事業を担う役割は、工場や販売部などです。

そして、意思決定を行う役割を担う、株主総会は、株主で構成され、会社の最終的な意思決定を行います。ただし、株主は頻繁に集まることはできないので、日常的な意思決定は取締役会などが株主から委任を受けて行います。

さらに、これらの株主総会や取締役会を、この番組では、業(なりわい)を企てるという意味の「企業」と呼ぶことにします。企業は、会社などを指す言葉として日常的に使われていますが、ここでは狭い意味で企業ということばを使います。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第1章第1節「会社の基本的なしくみとは」(12ページ)もご参照ください。

第3回:プロローグ3~経営学の対象は組織

今回は、本編に入る前のプロローグの3回目として、「経営学の対象は組織である」ということについて説明します。

よく、経営学は会社がより多くの利益を得るための学問と考えられがちですが、それは、一つの側面に過ぎません。ドラッカーが「非営利組織の経営」という本でも書いているとおり、病院や学校など、非営利事業を営んでいる組織にもあてはまります。

また、岩崎夏海さんのベストセラー小説、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」でも描かれているように、ドラッカーの理論は、高校の野球部にもあてはまります。

このように、経営学は、事業そのものよりも、組織運営の理論なのですが、日本の中小企業経営者の多くは、マネジメント層についていながら事業にも携わっており、組織運営になかなか目が向かないという実態もあります。

しかし、ドラッカーをはじめとする経営学の理論は、組織の活動をどうやって効率化するかというものであり、組織管理を通して組織の成果を高めていくという視点を持つことが大切です。

詳しくは、番組をお聴きください。

第2回:プロローグ2~「マネジメント新時代の社長学」とは

今回は、この番組のタイトルについて説明しています。

「マネジメント新時代」とは、現在の経営環境はマネジメントが重要という意味ですが、それはきちんとした根拠があります。かつては、生産指向、製品志向、販売志向、マーケティング志向という時代がありましたが、現在は、マネジメント志向の時代になっているからです。すなわち、マネジメントで事業の優劣が決まる時代になっており、そういう面から、かつての時代に比較して、マネジメントの重要性が高まっています。

そして、「社長学」は、「経営学」よりも、経営者にとって実践的かつ基本的な知識を学んでいただきたいという意味で、タイトルに入れました。

詳しくは、番組をお聴きください。