第18回:無関心圏

今回は、無関心圏について説明します。

バーナードは、組織の中で命令を受けたとき、その命令に何の疑義もなく受け入れられる命令は、その命令は「無関心圏」の中にあると説明しています。

しかし、その無関心圏の広さは、組織や人によって異なります。無関心圏が狭い人は、多くの命令に疑義を持ち、無関心圏が広い人は、疑義を持つ命令は少なくなります。

したがって、経営者は、誘因を与えたり、リーダーシップを発揮して、部下の無関心圏を広げると、多くの命令を円滑に受け入れてくれるようになります。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第6節「『無関心圏』と命令に従う関係」(46ページ)もご参照ください。

第17回:組織における権威

今回は、組織における権威についてご説明します。

組織論研究の第一人者のバーナードは、権威について、「権威とは公式組織におけるコミュニケーションの性格」と述べています。というのは、権威は、公式組織の中でけでしか発揮されないということです。例えば、会社の社長の権威は、会社の中でしか効力がありません。

また、バーナードは、「組織の構成員は、組織に関する自分の行動を決めるものとして、権威を受容する」と述べています。すなわち、命令を受ける側が、権威を受容しなければ、命令には従わないということです。

そして、バーナードは、個人が権威を受容するときの条件を4つあげています。命令がそれらの条件に合わなければ、組織の構成員は命令には従いません。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第6節「組織における権威とは」(44ページ)もご参照ください。

第16回:公式組織と非公式組織

今回は、公式組織と非公式組織についてご説明します。

「非公式組織」とは、バーナードが考え出した概念で、「個人的な感情などによるつながり」のことを言います。ちなみに、バーナードのいう「組織」は、この非公式組織に対して「公式組織」といいます。

非公式組織を具た例でいうと、職場で、お昼休みに、気の合う人たちと食事をすることがあると思いますが、その気の合う人たちのことが非公式組織です。この非公式組織は、公式組織とは違い、共通目的は持たず、また、非公式組織に属する個人が組織としての人格ではなく個人の人格のまま行動します。

そして、この非公式組織があることによって、お互いが打ち解けて話ができたり、信頼関係ができあがったりしますので、公式組織の活動に大きく影響します。したがって、経営者の方は、この非公式組織をうまく活用して、公式組織の活動が活発になるようにする工夫をするとよいでしょう。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第5節「公式組織と非公式組織の関係とは」(42ページ)もご参照ください。

第15回:有効性と能率、誘因と貢献

今回は、組織の有効性と能率、および、誘因と貢献についてご説明します。

バーナードは、組織の3つの要素が、組織の成立に必要なものであることから、組織の3つの要素が維持できるよう、組織と組織の外部の状況との関係を調整し均衡させなければならないと述べています。これに関し、バーナードは、「有効性」と「能率」という考え方を使って説明しています。

まず、有効性とは、組織の目的を達成する能力や度合いを指します。組織は、共通目的があることで成立しているわけですから、目的が達成できない状態のときや、目的が達成してしまったときは、組織が存続する意味もなくなります。

つぎに、能率とは、組織の維持に必要な貢献を得るための誘因を提供する能力のことです。能率の具体的なものは、会社でいえば、従業員への給与などの金銭的な誘因だけでなく、地位、やりがいといった、非金銭的な誘因も含まれます。

例えば、給与が少ない会社(=能率の低い会社)は、金銭的な誘因が低いために、従業員の士気がさがったり、退職されたりする可能性が高く、会社の事業に悪い影響を与えることにつながります。そこで、経営者の方は、給与を高くしたりやりがいを与えたりして、従業員の士気をあげたりする必要があります。

とはいえ、従業員の給与を高くするだけでよいのかというと、そう単純なわけではありません。給与を高くし過ぎた結果、会社が赤字になってしまえば、投資家が出資してくれなくなったり、銀行が融資をしてくれなくなったりします。そこで、従業員の給与を上げる代わりに非金銭的な誘因を増やしたりするといった工夫が求められます。

そして、このような、有効性、能率、誘因と貢献のバランスをどのようにとるか、すなわち組織の均衡を図ることは、経営者の重要な役割です。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第4節「組織を調整し均衡させるためにはどうするか」(40ページ)もご参照ください。

第14回:組織の3要素

今回は、組織の3要素についてご説明します。

バーナードは「お互いに意思を伝達できる人々がいて、その人々は活動することによって貢献しようとする意思を持ち、共通の目的を成し遂げようとするときに、組織は成立する。したがって、組織の要素は、コミュニケーション、貢献意欲、共通目的である」と述べています。

組織は、ひとりでは達成できないことを複数の人が集まって成し遂げるときに必要とされるものですから、まず、その集まった人々にとっての共通の目的があるということになります。そして、その共通の目的を成し遂げるために人々が集まるわけですから、その人たちが自分を犠牲にして目的達成のために貢献しようとする意思があるということになります。

そして、共通目的と貢献意欲の間に入り、両者を結びつけるものがコミュニケーションであるとバーナードは述べています。すなわち、共通目的がどういうものかがコミュニケーションによって人々に伝わらなければ、貢献意欲は得られないということです。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第3節「組織の3要素とはなにか」(38ページ)もご参照ください。

第13回:協働システム

今回は、協働システムについてご説明します。

協働システムとは、組織論研究の第一人者である、バーナードの提唱した概念で、一般的に言われている会社組織のことです。

この協働システムは、さらに、物的システム、社会的システム、人的システム、(バーナードの定義する狭い意味での)組織のサブシステムで構成されています。

バーナードの定義する「組織」とは、一般的に使われている組織とは異なり、「2人以上の人々の、意識的に調整された諸活動、または、諸力のシステム」と定義されています。すなわち、バーナードの言う組織とは、人々の集まりではなく、人々が集まりの中で動くしくみを指しています。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第2節「協働システムと組織のつながり」(36ページ)もご参照ください。

第12回:全人仮説

今回は、全人仮説について説明します。

組織論の研究の第一人者である、バーナードは、組織に属する人に影響を与える要因は、物的要因、生物的要因、社会的要因の3つがあるというとらえ方、すなわち、全人仮説を唱えています。

一方で、伝統的な考え方では、会社で働く人々は、給与や労働条件のみが影響を与えるという、経済人仮説に基づいて主に研究が行われていました。

いずれも、誤っているものではありませんが、現代は、バーナードの考え方が大きな影響を与えています。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第1節「全人仮説、経済人仮説による組織の考え方」(34ページ)もご参照ください。

第11回:フィランソロピーとメセナ

今回は、フィランソロピーとメセナ、および、について説明します。

フィランソロピーとは、ギリシア語のフィラントローピアを語源とする「人間愛」を意味する言葉であり、現代では、社会のために個人や会社が寄付を行ったり、ボランティアとして労力を提供したりする「社会貢献」の意味で用いられています。

メセナとは、即効的な販売促進・広告宣伝効果を求めるのではなく、社会貢献の一環として行う芸術文化支援のことです。

また、かつては、民間では担うことが困難であった公共性の高い事業が、現在では、CSRの考え方が浸透し、民間会社がその論理に基づいても担うことができるようになったことから実現できるようになってきています。このような、私企業と公企業の差がなくなっていく法則を、公私企業接近の原理と言います。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第1章第10節「フィランソロピーとメセナとは」(30ページ)、および、「知っとコラム:公私企業接近の原理」(32ページ)もご参照ください。

第10回:投資家向け広報(IR)

今回は、投資家向け広報について説明します。

投資家向け広報は、Investors Relations(IR)活動とも呼ばれ、主に、不特定多数の投資家を持つ、上場会社が、投資家向けに自社の情報を伝え、株主として支持を得るために行う活動です。

このような活動を行うことで、財務情報だけでなく、CSR活動や、独自の経営方針などの、非財務情報も投資家に伝わることになり、自社の株価を維持、向上させることにつながります。

また、中小企業では、不特定多数の株主はいませんが、銀行などの資金提供者に、自社の詳細な情報を伝える、すなわち、情報開示を積極的に行うことで、自社の評価を高めることになり、融資を円滑に、かつ、有利な条件(無担保、低利)で受けることが可能になります。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第1章第9節「投資家との関係を強化するIRとは」(28ページ)もご参照ください。

第9回:企業の社会的責任

今回は、企業の社会的責任について説明します。

私企業は、かつては、自社の事業活動に専念すべきであると考えられていましたが、最近は、私企業の社会的な存在が大きくなってきたため、企業市民として、利害関係者と良好な関係を築くことが求められるようになりました。

このことは、かつてのように、自社の事業だけに専念することが、自社の利益を最大化するのではなく、利害関係者からも支持されることが、持続可能性を高め、自社の利益も増加させるということでもあります。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第1章第8節「企業の社会的責任=CSRとは」(26ページ)もご参照ください。