第25回:組織の管理原則

組織の維持・管理のためには、ある程度の秩序が必要ですが、これについては、多くの研究者が研究しています。その中でも、ファヨールが14の原則を示していますが、現在、その中の5つの原則が重要と認識されているようです。

具体的には、(1)専門化の原則、(2)権限責任一致の原則(階層化の原則)、(3)統制範囲の原則、(4)命令統一性の原則、(5)権限移譲の原則(例外の原則)です。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第3章第1節「組織の管理原則とは」(60ページ)もご参照ください。





第24回:日本的雇用制度の三種の神器

1960年代の日本の高度経済成長は、欧米の研究者も大きな関心を持っていたようです。その要因は、「終身雇用」、「年功賃金」、「企業別組合」、すなわち、日本的雇用制度の三種の神器と言われ、1970年代にドラッカーなどによって評価されました。

このような雇用制度は、従業員の帰属意識を高め、よい方向に働いた結果、高度経済成長をもたらしたと考えられますが、成熟期を迎えた現在は、これらの制度はうまく機能しなくなりつつあります。詳しくは、番組本編をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章知っとコラム「日本的雇用制度の三種の神器」(58ページ)もご参照ください。





第23回:コンティンジェンシー理論

組織については、組織そのものや、その構成員に関してだけでなく、組織が置かれている環境との関係についても研究が行われています。それらの理論は、コンティンジェンシー理論として知られています。

コンティンジェンシー理論の主なものは、バーンズとストーカーによる、機械的組織と有機的組織、ウッドワードによる、生産技術に対応した組織の管理方法、ローレンスとローシュによる、環境の不確実性と会社の部門の分化や統合の程度の関係などです。

詳しくは番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第12節「コンティンジェンシー理論とは」(56ページ)もご参照ください。

第22回:欲求段階説・X理論ーY理論・動機付けー衛生理論

人をどのようにとらえるかという研究は、バーナードの「全人仮説」やメイヨーの「社会人」以外にも、さまざまな研究が行われており、今回は、その代表的な3つについてご紹介します。

ひとつめは、マズローの欲求段階説です。これは、ひとの欲求は、生理的欲求→安全欲求→社会的欲求→自我の欲求→自己実現の欲求と、より高い欲求に向かって成長しようとしているという考え方です。

ふたつめの、マグレガーの理論は、「人は仕事が嫌いで、できれば働きたくないと考えている」という古い人間観(X理論)ではなく、「人は本来は仕事が好きで、進んで働きたいと考えている」新しい人間観(Y理論)で、人を管理するべきだというものです。

みっつめの、ハーズバーグの考え方は、人は、給与をあげるなどの不満(衛星要因)をなくす働きかけは、不満をなくすだけにとどまり、昇進をさせたりする(動機付け要因)働きかけを行わなければ、満足を感じないという理論です。

この続きは番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第11節「マズローとマグレガーをハーズバーグ」(54ページ)もご参照ください。

第21回:ホーソン実験

テイラーの科学的管理法を補う理論は、その後の米国でも研究されました。その中で著名なものは、メイヨーやレスリスバーガーらによって、1927~1932年にかけて行われたホーソン実験です。

このホーソン実験は、ウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行われたもので、次のようなことがわかりました。

賃金、休憩、室内温度などの条件を変えて作業量の推移を計測した。労働条件や作業環境を改善すれば、生産性は改善したものの、それらの条件を改善前に戻しても生産性は変わらなかった。→経済的な条件や物理的な条件で生産性が改善するとは限らない。

データ収集を目的に、研究者が監督者とともに作業員に対して面接を行い、その際、質問項目を決めずに自由な会話をしてもらう方法で面接を行ったところ、その後、生産性が向上した。→監督者が部下の生活の状況などを把握するなどして理解が深まり、リーダーとしての資質が高まった。

この続きは番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第10節「ホーソン実験とは」(52ページ)もご参照ください。

第20回:ファヨールの管理過程論

今回は、ファヨールの管理過程論についてご説明します。

テーラーの科学的管理法は、生産活動の改善を図る手法ですが、ファヨールは会社全体の改善を図る手法として、管理過程論を示しました。管理過程論では、会社の活動をつぎの6つに分けています。

(1)技術活動
(2)商業活動
(3)財務活動
(4)保全活動
(5)会計活動
(6)管理活動

このうち、管理課都度は、他の活動を調和させる活動であり、他の活動とは性質が異なるものです。さらに、職位が高くなるほど、または、会社の規模が大きくなるほど、管理活動の重要性が増すと、ファヨールは指摘しています。

この続きは番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第9節「ファヨールの管理過程論とは」(50ページ)もご参照ください。

第19回:テイラーの科学的管理法

今回は、テイラーの科学的管理法についてご説明します。

19世紀後半から20世紀初頭に、米国で活躍した経営学者のテイラーは、科学的管理法という組織の管理方法を提唱しました。当時の米国の工場では、管理者の勘と経験による場当たり的な管理、すなわち、成行管理が行われていました。

そのため、出来高払いで賃金が支払われているのに、生産性が向上し、賃金が上昇すると、管理者は賃率(作業単位当たりの賃金)を下げようとしたことから、労働者たちは、意図的にあまり働かないようになる、すなわち、組織的怠業(サボタージュ)が行われるようになりました。

このような状況を改善するため、テイラーは、差別的出来高制度を導入し、1日の標準的な作業量を達成した人には高い賃金を、達成しなかった人には低い賃金を支払うといった改善を行い、労使間にあった不信感をなくし、お互いに協調できる関係を築こうとしました。

この続きは番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第8節「テイラーの科学的管理法とは」(48ページ)もご参照ください。

第18回:無関心圏

今回は、無関心圏について説明します。

バーナードは、組織の中で命令を受けたとき、その命令に何の疑義もなく受け入れられる命令は、その命令は「無関心圏」の中にあると説明しています。

しかし、その無関心圏の広さは、組織や人によって異なります。無関心圏が狭い人は、多くの命令に疑義を持ち、無関心圏が広い人は、疑義を持つ命令は少なくなります。

したがって、経営者は、誘因を与えたり、リーダーシップを発揮して、部下の無関心圏を広げると、多くの命令を円滑に受け入れてくれるようになります。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第6節「『無関心圏』と命令に従う関係」(46ページ)もご参照ください。

第17回:組織における権威

今回は、組織における権威についてご説明します。

組織論研究の第一人者のバーナードは、権威について、「権威とは公式組織におけるコミュニケーションの性格」と述べています。というのは、権威は、公式組織の中でけでしか発揮されないということです。例えば、会社の社長の権威は、会社の中でしか効力がありません。

また、バーナードは、「組織の構成員は、組織に関する自分の行動を決めるものとして、権威を受容する」と述べています。すなわち、命令を受ける側が、権威を受容しなければ、命令には従わないということです。

そして、バーナードは、個人が権威を受容するときの条件を4つあげています。命令がそれらの条件に合わなければ、組織の構成員は命令には従いません。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第6節「組織における権威とは」(44ページ)もご参照ください。

第16回:公式組織と非公式組織

今回は、公式組織と非公式組織についてご説明します。

「非公式組織」とは、バーナードが考え出した概念で、「個人的な感情などによるつながり」のことを言います。ちなみに、バーナードのいう「組織」は、この非公式組織に対して「公式組織」といいます。

非公式組織を具た例でいうと、職場で、お昼休みに、気の合う人たちと食事をすることがあると思いますが、その気の合う人たちのことが非公式組織です。この非公式組織は、公式組織とは違い、共通目的は持たず、また、非公式組織に属する個人が組織としての人格ではなく個人の人格のまま行動します。

そして、この非公式組織があることによって、お互いが打ち解けて話ができたり、信頼関係ができあがったりしますので、公式組織の活動に大きく影響します。したがって、経営者の方は、この非公式組織をうまく活用して、公式組織の活動が活発になるようにする工夫をするとよいでしょう。

詳しくは、番組をお聴きください。

また、「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」をお持ちの方は、第2章第5節「公式組織と非公式組織の関係とは」(42ページ)もご参照ください。